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JSCE(日本比較内分泌学会)とは?

2017年2月14日現在の会員数は470名。生物学・農学・医学・薬学など幅広い分野から会員が参加しています。

日本比較内分泌学会について

 日本比較内分泌学会は、1961年に神奈川県大磯において開催された第3回国際比較内分泌学シンポジウムを契機として、わが国にも生物学的観点を主体とした基礎的な内分泌学の発展を図るため学会を設けるべきであるという内外の要請を受けて、101名の発起人のもと1975年に設立された。

日本比較内分泌学会

 当時東京大学理学部附属臨海実験所教授であった小林英司初代会長は、会員間の情報交換の場として発刊された「日本比較内分泌学会ニュース」の第1号の巻頭言で、「ある現象について、異なった動物群の動物を比較検討し、その現象に対して一般性のある説明原理を得ようとするような学問を比較内分泌学という場合が多い。この考えは間違いではない。ただ、留意すべきことは、この場合、ある事柄を種々の動物で単純に比較しているのではなく、動物の進化の説を基盤として比較しているのであって、その行為自体が一つの思想を内容として持っていることである。たとえば、鳥類と爬虫類とを比較することと、月とスッポンを比較することは、同じ比較といっても内容的には全く異なっているのである。比較内分泌学では進化の説を基盤としていると述べたが、このことは研究者が動物を比較できることの保証となっているのである。その理由は、現在の鳥類と爬虫類とは共通の祖先型から出発して変遷してきたもの、還元すれば同一の母集団から出発してきたものと考えられるからである。」と述べ、比較内分泌学の定義を試みている。

日本比較内分泌学会

 日本比較内分泌学会は大会とシンポジウムを毎年開催しており、2017年度には42回を数える。また、1987年の第1回アジア・オセアニア比較内分泌学会議(名古屋)、1997年の第13回国際比較内分泌学会議(横浜)をはじめとして多数の国際学会とシンポジウムを主催している。

 学会としてのジャーナルを持たないが、1996年よりAcademic Press社から刊行されているGeneral and Comparative Endocrinologyを提携誌としている。また、日本比較内分泌学会編集による「ホルモンの生物科学」(全10巻、学会出版センター)、 「ホルモンの分子生物学」(全8巻、学会出版センター)、 「ホルモン実験ハンドブック」(全3巻、学会出版センター)、 「内分泌器官のアトラス」(講談社)、 「ホルモンハンドブック」(南江堂)、 「からだの中からストレスをみる」(学会出版センター)、 「生命をあやつるホルモン」(学会出版センター)、 「Handbook of Hormones - Comparative Endocrinology for Basic and Clinical Research -」(Elsevier)、 「ホルモンから見た生命現象と進化」(全7巻、裳華房)などを発刊している。学会の他の刊行物として、季刊の「日本比較内分泌学会ニュース」(2008年より 「比較内分泌学」)がある。

 2017年2月14日現在の会員数は470名で、生物学・農学・医学・薬学など幅広い分野から会員が参加している。年会費は一般会員5,000円、学生会員3,000円、賛助会員50,000円である。

会長挨拶:比較内分泌学の発展をめざして

                    第20期会長 兵藤 晋(東京大学大気海洋研究所)

 昨年の選挙により、高橋明義前会長の後を引き継ぎ、日本比較内分泌学会の会長を務めることとなりました。第20期役員の方々と力を合わせ、日本の比較内分泌学のさらなる発展のために力を尽くしてまいりますので、会員のみなさまのお力添えをよろしくお願いいたします。

 本学会は、「比較内分泌学に関わる様々な分野の方々が、教員から学生まで分け隔てなく、じっくり議論ができる場」であり続けてきたと認識しています。私自身も、本学会の懐の深さ、研究室の枠を超えたアットホームな交流、そしてその中にある厳しさに育てられてきたと感じています。昨年来のCOVID-19の感染拡大により、本学会も昨年の金沢大会を1年延期するなど、対面での情報交換・議論・懇親が難しい状況が続いておりますが、逆にオンラインシステムの進歩を活かして活発な活動を進めていきたいと考えております。

 学会の発展のためには、若手・中堅会員の活躍が重要です。学会としても、できるだけの支援を惜しみませんので、ぜひとも積極的な活動を期待します。比較内分泌学は、様々な生物が示す現象、そのメカニズム、進化を研究する懐深い学問分野です。現象を中心に据えるからこそ、他分野との積極的な連携も可能なはずで、「比較内分泌学」をさらに発展させていくことにつなげられればと考えています。学会誌の電子媒体化、名簿システムの一元化、若手交流を目指した新たな企画など、今期の役員の方々による新たな取り組みも進んでいます。会員のみなさまからのご要望も積極的にお寄せ下さい。役員会でスピード感をもって議論してまいります。日本比較内分泌学会のさらなる発展のために務めてまいりますので、これから2年間、どうぞよろしくお願いいたします。

歴代学会長と在任期間(敬称略) 

  • 小林英司  1975-1984
  • 石居 進   1985-1990
  • 川島誠一郎 1991-1996
  • 平野哲也  1997-1999
  • 菊山 榮   2000-2005
  • 筒井和義  2006-2010
  • 田中滋康  2011-2012
  • 竹井祥郎  2013-2016
  • 高橋明義  2017-2020
  • 兵藤 晋  2021-

過去の大会

  • 開催年・回数 ・開催場所・大会長(敬称略)
  • 1976年(昭和51年)・ 第1回 ・岐阜県 ・田名部雄一
  • 1977年(昭和52年)・ 第2回 ・岩手県 ・見上晋一
  • 1978年(昭和53年)・ 第3回 ・島根県 ・大氏正己
  • 1979年(昭和54年)・ 第4回 ・沖縄県 ・渡嘉敷綏宝
  • 1980年(昭和55年)・ 第5回 ・富山県 ・小黒千足
  • 1981年(昭和56年)・ 第6回 ・徳島県 ・大黒成夫
  • 1982年(昭和57年)・ 第7回 ・愛知県 ・矢内原 昇
  • 1983年(昭和58年)・ 第8回 ・広島県 ・川島誠一郎
  • 1984年(昭和59年)・ 第9回 ・群馬県 ・若林克己
  • 1985年(昭和60年)・ 第10回・東京都 ・小林英司
  • 1986年(昭和61年)・ 第11回・北海道 ・高橋裕哉
  • 1987年(昭和62年)・ 第12回・愛知県 ・石崎宏矩
  • 1988年(昭和63年)・ 第13回・奈良県 ・川合禎次
  • 1989年(平成元年)・ 第14回・長崎県 ・玉置文一
  • 1990年(平成2年) ・ 第15回・山梨県 ・加藤順三
  • 1991年(平成3年) ・ 第16回・三重県 ・廣瀬慶二
  • 1992年(平成4年) ・ 第17回・岐阜県 ・田中克英
  • 1993年(平成5年) ・ 第18回・東京都 ・高橋迪雄
  • 1994年(平成6年) ・ 第19回・群馬県 ・若林克己
  • 1995年(平成7年) ・ 第20回・静岡県 ・矢内原 昇
  • 1996年(平成8年) ・ 第21回・埼玉県 ・能村哲郎
  • 1997年(平成9年) ・ 第22回・新潟県 ・野崎眞澄
  • 1998年(平成10年)・ 第23回・岩手県 ・川内浩司
  • 1999年(平成11年)・ 第24回・愛知県 ・山下興亜
  • 2000年(平成12年)・ 第25回・石川県 ・櫻井 勝
  • 2001年(平成13年)・ 第26回・東京都 ・菊山 榮
  • 2002年(平成14年)・ 第27回・岡山県 ・高橋純夫
  • 2003年(平成15年)・ 第28回・富山県 ・内山 実
  • 2004年(平成16年)・ 第29回・奈良県 ・大石 正
  • 2005年(平成17年)・ 第30回・熊本県 ・安部眞一
  • 2006年(平成18年)・ 第31回・北海道 ・浦野明央
  • 2007年(平成19年)・ 第32回・栃木県 ・屋代 隆
  • 2008年(平成20年)・ 第33回・広島県 ・安藤正昭
  • 2009年(平成21年)・ 第34回・大阪府 ・南方宏之
  • 2010年(平成22年)・ 第35回・静岡県 ・田中滋康
  • 2011年(平成23年)・ 第36回・東京都 ・竹井祥郎
  • 2012年(平成24年)・ 第37回・福井県 ・宮本薫
  • 2013年(平成25年)・ 第38回・宮崎県 ・香川浩彦
  • 2014年(平成26年)・ 第39回・愛知県 ・井口泰泉
  • 2015年(平成27年)・ 第40回・広島県 ・吉村幸則
  • 2016年(平成28年)・ 第41回・神奈川県・高橋明義
  • 2017年(平成29年)・ 第42回・奈良県 ・安田恵子
  • 2018年(平成30年)・ 第43回・宮城県 ・尾定誠
  • 2019年(令和元年)・ 第44回・埼玉県 ・坂井貴文
  • 2021年(令和3年) ・ 第45回・石川県 ・鈴木信雄
  • 2022年(令和4年) ・ 第46回・東京都 ・大久保範聡
  • 2023年(令和5年) ・ 第47回・福岡県 ・荻野由紀子
  • 2024年(令和6年) ・ 第48回・北海道 ・井尻成保

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